ONKYO M−509 修理記録
平成17年4月15日到着   11月12日完成
A. 修理前の状況
  •  1、導入
       筐体のデザインが気に入って、オークションにてM-309とペアで購入。
      両方とも完動品の状態でしたが、中古品独特の匂い除去のためにレストア作業。
      M-309は音響用コンデンサ等を入れ替え、整備済み問題なしです。
  • 2、M-509 同じくコンデンサ等を入れ替え、配線チェックの後通電、リレー解除で動作OK。コンデンサは同容量品。
      テストポイントVCT−IID間で 電源ON後5分で13mVにするのを後回しに、CD入力にてエージング。
      約3時間動作していましたが、目を離した隙にアンプがスタンバイ状態に。
      調べてみると、L-CHのヒューズが飛んでおりました。製造時からついていたヒューズ 故、中は真っ黒でしたが、
      一通りチェックの後新品のヒューズを入れあとも、すぐに 光って切れました。
      コンデンサを交換した各基盤を調べましたが、パンクその他の状況はありません。
      また、においもありませんので、どこがおかしくなったのか検討がつきません。

B. 原因
  • 電解コンデンサーを交換時、他の部品に力を加え、半田不良を起こした為
    「C2C1. 修理前 Lドライブ基板裏」半田不良ヶ所 参照
    終段TR(トランジスター)焼損し、前段TR(トランジスター)も焼損する

C. 修理状況
  • 終段TR(トランジスター)交換。
    前段TR(トランジスター)交換。
    初段FET交換。
    RLバイアス半固定VR交換。
    RCA端子交換
    SP端子交換
D. 使用部品
  • 終段TR(トランジスター)                     12個。
    初段FET                                2個。
    RLバイアス半固定VR                       2個。
    SP接続リレ−交換                         4個。
    抵抗                                  8個。
    RCA端子 WBT−0201                     1組。
    SP端子  WBT−0730                    2組。
E. 調整・測定

F. 修理費   146,700円

S. ONKYO M−509 の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況
A1. 修理前点検中 上から見る、ユーザーが電解コンデンサーを交換してある
A2. 修理前点検中 下から見る、ユーザーが電解コンデンサーを交換してある
A3. 修理前点検中 焼損したL側終段TR(トランジスター) 
C. 修理状況
C1A. 修理前 Rドライブ基板
C1B. 修理後 Rドライブ基板 初段FET、バイアス調整用半固定VR、TR(トランジスター)2個、抵抗4本交換
                      DCカットフイルムコンデンサー追加 
C1B1. 修理前 Rドライブ基板ラッピング
C1B2. 修理後 Rドライブ基板ラッピング ハンダを流し込む
C1C. 修理前 Rドライブ基板裏
C1C1. 修理中 Rドライブ基板裏 ハンダ不良ヶ所
C1C2. 修理中 Rドライブ基板裏 ハンダ不良ヶ所
C1C3. 修理中 Rドライブ基板裏 ハンダ付けの技能が低く、銅箔剥離で付け根が折れそう!
C1D. 修理(半田補正)後 Rドライブ基板裏 半田を全部やり直す
C1E. 完成Rドライブ基板裏 洗浄後コートを塗る
C2A. 修理前 Lドライブ基板 上の白いコネクターで終段TR(トランジスター)と接続する。 これが接続不良になると
                     終段TR(トランジスター)が死ぬ、W配線くらいの配慮が欲しい
                     「C2C. 修理前 Lドライブ基板裏」 を参照   
C2B. 修理後 Lドライブ基板 初段FET、バイアス調整用半固定VR、TR(トランジスター)5個、抵抗4本交換
                      DCカットフイルムコンデンサー追加 
C2B1. 修理前 Lドライブ基板ラッピング 
C2B2. 修理後 Lドライブ基板ラッピング ハンダを流し込む
C2C. 修理前 Lドライブ基板裏
C2C1. 修理中 Lドライブ基板裏 半田不良ヶ所 その1
C2C2. 修理中 Lドライブ基板裏 半田不良ヶ所 その2
C2C3. 修理中 Lドライブ基板裏 半田不良ヶ所 その3
C2D. 修理(半田補正)後 Lドライブ基板裏 半田を全部やり直す
C2E. 完成Rドライブ基板裏 洗浄後コートを塗る
C3A. 修理前 R側終段TR(トランジスター)基盤
C3B. 修理(半田補正)後 R側終段TR(トランジスター)基盤 TR(トランジスター)7個交換
C3C.完成R側終段TR(トランジスター)基盤 洗浄後コートを塗る
C4A. 修理前 L側終段TR(トランジスター)基盤 真ん中の2個が短絡 同じのが入手出来ないので全部交換
C4B. 修理(半田補正)後 L側終段TR(トランジスター)基盤 TR(トランジスター)7個交換
C4C. 完成L側終段TR(トランジスター)基盤 洗浄後コートを塗る
C5A. 修理前 整流・定電圧・VU基板
C5B. 修理後 整流・定電圧・VU基板 VU用半固定VR4個、電源リレー1個交換
C5C. 修理前 整流・定電圧・VU基板裏
C5C1. 修理(半田補正)中 整流・定電圧・VU基板裏 半田不良予備軍
C5C2. 修理(半田補正)中 整流・定電圧・VU基板裏 半田不良予備軍
C5D. 修理(半田補正)後 整流・定電圧・VU基板裏 全ての半田をやり修す
C5E. 完成整流・定電圧・VU基板裏 洗浄後コートを塗る
C5F. 修理前 整流・定電圧・VU基板R側 ラッピング
C5G. 修理後 整流・定電圧・VU基板 ラッピングR側 半田を流し込む
C5H. 修理前 整流・定電圧・VU基板L側 ラッピング
C5I. 修理後 整流・定電圧・VU基板 ラッピングL側 半田を流し込む
C6A. 修理前 SP接続リレー基板
C6B. 修理後 SP接続リレー基板 リレ−5個、電解コンデンサー8個交換
C6B1. 修理前 SP接続リレー基板 L側ラッピング
C6B2. 修理後 SP接続リレー基板 L側ラッピング
C6B3. 修理前 SP接続リレー基板 R側ラッピング
C6B4. 修理後 SP接続リレー基板 R側ラッピング
C6C. 修理前 SP接続リレー基板裏
C6D. 修理(半田補正)後 SP接続リレー基板裏 全ての半田をやり修す
C6D1. 修理(半田補正)後 SP接続リレー基板裏 余計なフラックスを取る
C6E. 完成SP接続リレー基板裏 洗浄後コートを塗る
C7. 前面パネルを取り修理中
C8A. 修理前 SW・VR基板
C8B1. 修理中 SW・VR基板裏 R−VR清掃中
C8B2. 修理中 SW・VR基板裏 L−VR清掃中
C8C. 修理前 SW・VR基板裏
C8D. 修理後 SW・VR基板裏
C8E. 完成SW・VR基板裏 洗浄後コートを塗る 
.C9A. 修理前 入力RCA端子・出力SP端子
C9B. 修理中 WBT製SP端子を付けるため、加工中
C9C. 修理中 短絡の衝撃で少し膨れたL側電解コンデンサー
C9D. 修理後  入力RCA端子・出力SP端子 WBT−0201 WBT−0730
CA. 交換した部品
C−BA. 修理前 上から見る
CBB. 修理後 上から見る
C−BC. 修理前 下から見る
CBD. 修理後 下から見る
CC. 完成 綺麗なお尻で帰ります
E. 調整・測定
E1. 出力/歪み率測定・調整
    <見方>
     下左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.003%)
     下中=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メ−タ−=L出力、右メ−タ−=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E2A. R側SP出力 42V=220W出力 0.02%歪み 1000HZ 終段TR(トランジスター)が新品なので元気です
E2B. R側SP出力 42V=220W出力 0.02%歪み 400HZ
E2C. L側SP出力 42V=220W出力 0.02%歪み 1000HZ
E2D. L側SP出力 42V=220W出力 0.02%歪み 400HZ
E3. その時のVUメータ
E4. 完成  24時間エ−ジング
S. ONKYO M−509 の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 Wスーパーサーボ方式 ステレオパワーアンプ ONKYO M−509
アンプ部
実効出力(20Hz〜20kHz) 280W+280W(4Ω)、 200W+200W(8Ω)
ダイナミックパワー(1kHz) 280W+280W(8Ω)
全高調波歪率(THD、20Hz〜20kHz、実効出力時) 0.003%以下
混変調歪率(70Hz:70kHz=4:1、実効出力時) 0.003%以下
パワーバンドウィズス(IHF-3dB、THD 0.2%) 5Hz〜100kHz
利得 28.5dB
周波数特性 1Hz〜100kHz (+0 -1.5dB)
S/N(IHF-Aネットワーク、入力シャント) 120dB
入力感度/インピーダンス 1.5V/47kΩ
スピーカー負荷インピーダンス 4Ω〜16Ω
ダンピングファクター(8Ω、1kHz) 200
出力端子 Speaker System-1、System2、Headphone
トランジェントキラー動作時間 Power on/of :5sec/100msec
メータ部
レンジ切換え x1(0dB=200W)、 x0.1(0dB=20W)
指示範囲 -40dB〜-4dB
指示精度 0±1dB、-10±2dB、-20±3dB
応答速度(-∞→0dB) 100μsec
復帰速度(0dB→-20dB) 1sec
総合
使用半導体 トランジスタ:82個、 FET:4個、 IC:7個、 ダイオード:86個
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
AC出力 Powerスイッチ非連動、600W最大
消費電力(電気用品取締法) 320W
外形寸法 幅480x高さ191x奥行439mm
重量 31kg
価格 ¥350,000(1983年頃)
                     m509-1x
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