HMA−9500. 29台目修理記録
平成23年8月31日到着   10月26日完成 
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)や入力のRCAプラグのアース側も接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません。
    本機の様に、電源コードがシールド(アース)付きの場合、シールド(アース)は本体かプラグのどちらかで外す事。

    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況
  • このアンプをタンノイのスピーカーに繋いで使用していたのですが、アンプが故障して以来、もう10年位使っておりません。
    数ヶ月前に電源を入れたらバリバリというような音がして全く音が出ません。
    20年くらい前に、片側しか音が出なくなり、日立の修理工場で修理したことがあります。
    数年後に同じように片側しか音が出なくなり、以来最近まで使わないままです。


B. 原因
  • プロテクト解除せず
    経年劣化。

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    初段FET(電界効果トランジスター)交換。
    RLバイアス/バランスVR交換。
    電解コンデンサー交換(オーディオコンデンサー使用)。
    全ヒューズ入抵抗交換。
    1部整流ダイオード交換。
    配線手直し、補強。
    電源コード交換(サービス)

D. 使用部品
  • SP接続リレー              2個。
    初段FET(電界効果トランジスター)  2個。
    バイアス/バランス半固定VR     6個。
    ヒューズ入り抵抗           30個。
    電解コンデンサー           31個 。
    フイルムコンデンサー         4個。
    整流ダイオード交換         10個。
    中古HMA-9500mkU用電源コード 1本(サービス)

E. 調整・測定

F. 修理費  95,000円

S. HITACHI Lo−D HMA−9500 の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 右から見る
A132. 点検中 右から見る、 右半分が清掃済み。
A14. 点検中 後から見る
A15. 点検中 後左から見る
A16. 点検中 左から見る
A17. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下から見る
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下後右から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下前左から見る
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A41. 点検中 少しヨレヨレの電源コード。
A51. 点検中 下蓋裏、 埃は少ない。
A61. 点検中 R側終段FET(電界効果トランジスター)の絶縁マイカーの穴は小さい、シリコングリスも湿気有り。
A62. 点検中 L側終段FET(電界効果トランジスター)の絶縁マイカーの穴は小さい、シリコングリスも湿気有り。
C. 修理状況
C11. 修理前 R側ドライブ基板
C12. 修理後 R側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                      フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)2個交換
C13. 修理前 R側ドライブ基板裏
C132. 修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C14. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C16. 完成R側ドライブ基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C21. 修理前 L側ドライブ基板
C22. 修理後 L側ドライブ基板 初段FET(電界効果トランジスター)、バランス/バイアス調整用半固定VR2個、SP接続リレー交換
                     フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)2個交換
C23. 修理前 L側ドライブ基板裏
C232. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C24. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C26. 完成L側ドライブ基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C31. 修理前 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C312. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー。
         熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコーンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
         2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C32. 修理後 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C33. 修理前 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C332. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け用絶縁マイカー。
         熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコーンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
         2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C34. 修理後 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C51. 修理前 電源基板
C512. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材が取り除かれていない、当時は溶媒にトルエンが使用されており、銅を腐食する。
C513. 修理中 電源基板、電解コンデンサー固定用の接着材を取り除いた所。
C52. 修理後 電源基板 フューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード10個、TR(トランジスター)4個交換。
C53. 修理前 電源基板裏
C54. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す
C56. 完成電源基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C57. 修理中 絶縁シート
C61. 修理前 RCA端子
C62. 修理前 RCA端子裏
C63. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  半田を全部やり直す
                   フイルムコンデンサー2個交換、2個増設
C64. 完成RCA端子基板裏 洗浄後防湿材を塗る
C91. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
C92. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C93. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
C94. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C95. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C96. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
C97. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
C98. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CB1. 交換部品
CB2. 交換部品、 ビニールが後退した電解コンデンサー。
CC1. 修理前 下から見る
CC2. 修理後 下から見る
CC3. 修理後 電源コード交換する。
E. 調整・測定
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「Tektronix TDS−2024(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「Tektronix TDS−2024(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より100Hz〜10kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A
E21. R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.0085%歪み、 50HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0081%歪み、 50HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.0090%歪み、 100HZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0094%歪み、 100HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.017%歪み、 500HZ。
     L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.019%歪み、 500HZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.018%歪み、 1kHZ。
     L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.029%歪み、 1kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.031%歪み、 5kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.039%歪み、 5kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.032%歪み、 10kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.041%歪み、 10kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0089%歪み、 50kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0094%歪み、 50kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=400kHz。
E28. R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.023%歪み、 100kHZ。
     L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.024%歪み、 100kHZ。
     「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=400kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成  24時間エージング、 左は HMA-9500. 30台目
                       9500m-t1x
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